男性の育休取得率99%!?でも取得できない人も胸張って良いと思う

今日も一日お仕事&育児おつかれさまです。
サラリーマンとして社畜のごとく働き、育児・家事も全力奮闘中のかまちです。

令和4年4月1日から育児・介護休業法が改正され、「産後パパ育休」の制度創設や取得率の公表が始まることとなりました。
男性の育児参加を促進し、仕事と生活の両立をめぐる社会的課題解決を目的として法改正がなされます。

しかしながら、驚くことに既に「男性の育休取得率99%」という組織があるようです。
「良い意味で社会に逆行?」と思えるような見出しの記事をみつけたので、今回は記事から分かる育休の現状と、ワーパパとしての意見をまとめることにしました。

今回紹介する記事の要約

今回みつけた記事はこちら(NHK「育休取得99%ってどういうこと?」)。

以下、要約です。


  • 令和2年に「育児に伴う休暇」を取得した国家公務員(男性)は99%。「育児休業」は29%。
     取得期間は7割が1ヶ月以下。また、取得時期に関する課題あり。
  • 国家公務員(男性)の育児休業の取得率は、5年前(平成27年度:5.5%)と比べると、およそ5倍に上昇。なお、民間企業は全国平均で12.65%。
     部下の育児休業取得は、管理職の業務目標・人事評価に直結。
     若手官僚の霞が関離れが深刻になっているのも背景にあり。
  • コロナで培った事業継続の経験(業務の標準化や業務範囲の整理、情報共有の仕組みづくり)は育休での業務運営に活かせる。

混同されやすいのですが、「育休」といっても「育児休業」と「育児休暇」では中身が異なります。

「育児休業」は育児・介護休業法第2条に基づく制度です。
労働者の権利として労働者が求めた場合、会社は取得させなければなりません。
また、一定の要件を満たせば雇用保険から給付金が支給されることとなっています。

一方で「育児(目的)休暇」は育児・介護休業法第24条に基づく制度です。
制度を用意するのは、会社の努力義務とされています。
会社の規定に定めがなければ取得できず、また有給・無給は会社の判断(定め)となります。

より詳しい内容は、こちらのサイト(厚生労働省岡山労働局「育児休業と育児目的休暇の違いについて」)が分かりやすいです。


かまち
今回の記事のように、世間一般には「育児休業」よりも気軽に取得できる「育児(目的)休暇」を取得されている方が多いです。
私も「育児(目的)休暇」を取得しましたが、臨機応変に取得でき、とても使いやすくて便利でした。


育児休業はなぜ取れない?どうやったら取れるだろう?

取り上げた記事のとおり、男性育児には追い風が吹いています。
社会的課題の解決を意図しつつ、一方で会社としても人材確保のために欠かせない取り組みとなっていることが理解できます。

制度としての育児休業は従前からあった訳ですが、なぜ取りたくても取れないのか。
前項で取り上げた記事とも重複しますが、原因は大きく以下の4つあると私は考えます。


  • ①取得時期に関する問題(繁忙期は不在にできない)
  • ②将来のキャリアに対する不安(出世レースから降りたくない)
  • ③取得方法が分からない(初めての育児で分からないこと山積み)
  • ④職場の雰囲気や申し訳なさ(空気的な問題)

原因が複数あることで、「なんだか面倒だなぁ」なんて思い、気付いたらもう出産間際なんてケースもあるでしょう。
一方、育児休業を取得した人皆が自力で原因解決したのかと言えば、そうではないと思います。
「私めっちゃ育児やってます!ドヤっ!」って人も、公私周りの助けがあったからこそ育児休業の取得しかり、日々の育児ができているのかと。
かくいう私も、家族・職場の助けがあってどうにか育児と仕事の両立ができており、正直なところ周囲への感謝は絶えません。

つまるところ、「自分の頑張り」も必要ですが、「他人の力」も絶対欠かせません。
両方が欠かせないという認識は、ワーパパとして生きていく上でかなり大事なポイントです。


かまち
「仕事が属人的になっているのも原因では?」という考えもあるものの、原因①の範疇かと思っています。
度々異動が起きても会社は崩壊しない訳ですから、「この人でなければできない」なんて仕事は極々一部で、経験さえ積めばほとんどの仕事は代替できるはずです。

取れない原因を乗り越える方法を考えよう

ではここで、①〜④の原因をめでたく解決して育児休業を取得するにはどうしたら良いのか考えてみます。
前述の通り、育児にあたっては、「自分の頑張り」と「他人の力」の両方が必要です。
ここでいう「他人の力」は「会社の頑張り」も含まれます。

私なりの解決策を表にまとめてみました。
育児休業は会社で対応いただくものなので、「他人の力」は「会社の頑張り」と整理しています。

<自分の頑張り><他人の力(会社の頑張り)>
仕事の効率化・標準化をしておく業務量の平準化・兼務人員によるマンパワーの量的削減・流動的補填を行う
育児の経験をマネジメントに活かす方法を考える男性も育児ありきのキャリアパスを構想する
人事担当者や制度に詳しい人に前もって相談する、お礼を欠かさない申請する側も処理する側も負担のないワークフローを構築する
自分の考えはオープンにする、お礼を欠かさない積極的な周知やトップ・上司による実践

「自分の頑張り」と「他人の力」の両方が必要と言っておきながらなんですが、自分の力でコントロールできるのは「自分の頑張り」だけです。
会社での影響力を持つ立場ならば「会社の頑張り」もコントロールできるかもしれません。
しかし、多くの人にとっては「自分の頑張り」を変えていく方が現実的です。


かまち
「お礼を欠かさない」なんて姑息な感じもしますが、周囲との良好な関係は他人の力を借りる上で欠かせません。
改めて、周囲への感謝はきちんと行動で示すよう気を付けてみましょう。

具体的には、どうやったら取れるだろうか?

前項で整理した①〜④の方法について、私の経験から具体的な取り組みをまとめておきます。

①は、日頃から効率化・標準化のタネをコツコツ蒔いておきましょう
手順書やチェックリストを用意してけば、周りの仲間も自分の仕事をに代われるようになります。
仕事は異動がつきものですから、コテコテの「自分でないとできない仕事」に磨き上げてしまっては、後で引継ぐ時が大変です。


かまち
取り上げたNHKの記事にもあるとおり、コロナ禍の業務遂行の取組みも役に立ちそうです。
少ない労働力で誰でも・どこでも仕事が回せるよう、仕事の取り組み方を見直していきましょう。

②は、自らの思考を転換しましょう。
興味ある仕事をとことん突き詰めていく志は大変立派です。
しかし多様な価値観を認める現代では、広い価値観を養う観点からもバリキャリ路線を一歩立ち止まり、育児に専念する時間は非常に有効です。

世界では、スウェーデンでのように9割以上の男性が育児休業を取得しているケースもあります(参考:北欧の育休事情:男性の仕事と子育ての両立 ~デンマーク事例~ | Ex.01(リクルートHP))。
諸外国で男性の育児参加が主流になりつつある今、将来トップに立つ人間には「育児参加」の実績が求められるかもしれません。
育児に対して価値が見出せていないのであれば、まずは育児についてよく調べ、良さを認識するところから始めてみましょう。


かまち
私自身、育児の取り組みや工夫は、仕事との相乗効果があると実感しています。
隙間時間の活用や着実なタスク管理は、育児によって一層磨かれました。

③は、自分で全部やろうとするのを止め、周囲の力を求めて(頼って)みましょう。
人間自分の知らないことでも、周りの力を借りれば解決できることはたくさんあります。
育児が始まると絶対的な時間量が足りなくなり、「自分だけでは解決できない機会」は度々訪れるでしょう。

バリバリ仕事を頑張ってきた方だからこそ、周りの力を頼るのは苦手です。
どうしても「周りに迷惑かけてしまうのでは?」といった思いも先行します。
でもそんな方だからこそ、周囲にも仕事の恩はたくさんあり、頼られても喜んで応えてくれるはずです。

とは言え頼られる側も人間ですから、急に頼られても困ってしまいますよね。
相手の立場を考えて、特に時間には余裕をもって相談し、頼るようにましょう。


かまち
お礼はされて嫌な人はいませんから、仕事と言えどきちんとお礼を示しましょう。
周囲の力を借りるのは、将来他部署を巻き込む大きな仕事に携わる際にも役立つ経験となります。

④も③に似たところがありますが、周囲には言葉にして伝えましょう。
阿吽の呼吸・以心伝心なんて、生活を共にする家族ですら難しいのが実態です。

人間言葉にしないと相手に伝わりませんし、周りもきちんと理解できません。
「自分が思い込んでいただけで、相手はそう思っていなかった」ということはよくありますよね。
ギスギスした職場でも、自分の考えを実現したいのであれば、言葉で共有する必要があります。


かまち
「そうは言っても会話しにくい職場で…」という方もいると思います。
それなら会話の機会を見出すところから始めてみてはいかがでしょうか。
「できない現状を乗り越えるゲーム」のように捉えると、意外と楽しくなってきますよ。

自らに積極的に働きかけ、育児休業取得に対する願望が一歩でも実現に近づけば幸いです。


育児休業、取れなくなって僕らはイクメンだ

今回取り上げた記事や法改正の動向をみると、今後は「育児休業の取得率アップ」に目が行くことが想定されます。
ただ言わずもがな、「育児休業を取得した」=「育児をやっている」という訳ではないし、育児休業を取得せずとも育児を奮闘している人はたくさんいます。
「育児休業を取得しなかった」が、その家族にとって最善の答えの場合もあります。

私の意見としては、「育児休業は男性も取得すべき」です。


かまち
奥さんの大変さが分かるほか、子供の成長で感じる感動や日々の世話・仕事のタイムマネジメントを通じた学びは、子育てを実践しないと得られませんからね。
また夫の立場だと「妻を楽にしてあげたい」と色々提案しがちですが、奥さんが求めているのは「大変さを一緒に感じてほしい」という体験の共有かもしれません。

ただ、「育児休業の取得」は男性育児の形の1つでしかありません。
色んな形で男性に育児参加してもらい、胸を張って「育児やってます!」と言える人が今後増えたらいいなと思います。

むしろ「育休」でまとまった時間の「量」を確保するのは一時的なしのぎであって、「量」で解決する方法は将来にわたって使える術ではありません。
サラリーマンとして雇われているからこそ育児休業の制度による助けを得られるものの、やはり日々の多くの時間を会社の業務に捧げざるを得ません。


かまち
転職したり、起業して今より時間の量を増やしている事例も見受けられますが、必ずしも狙った通りになるとは言えません。
それよりも、まずは今の枠組み(会社)でどう育児を頑張るかを考える方が、地に足の着いた行動で効果も早く現れます。

日々働く中で柔軟性を発揮し、勤務時間を変えて育児の時間を確保してみたり。
はたまた休暇を取れるよう計画的に仕事を進めたり、早起きして家事をしたり、定時退社をする日を作ってみたり。
こういった地道な活動こそ、自らの向上に役立ちつつ家族の役にも立ちます。
人それぞれの形で子供と関わる時間を増やせたら、例え派手な行動でなくとも、立派なイクメンです。


かまち
育児が始まると圧倒的に時間がなくなります。
生活を見直して時間を捻出する行動は、時間に対する考えを「量」から「質」へ転換する一歩です。

「家族が困ってるのに育児休業取らずに働いているなんて覚悟がないだけ!」といった厳しい主張も時折目にしますが、育児に必要なのは根性論よりも柔軟性だと私は思います。
ライフイベントに応じて柔軟に生きる姿勢は、仕事にメリハリを与えるだけでなく、自らの生活をより彩のあるものに変えてくれるはずです。


〜おわりに〜

男性も育児休業を取りやすくなる風潮へと、社会は変わりつつあります。
会社も変わっていきますが、それと合わせて自分も変わっていく必要があります。
自分を変えることができるのは、自分だけです。

できる限り男性も育児休業を取得すべきだと思いますが、育児休業は育児の形の1つであって、別の形で育児に貢献することも可能です。
むしろ育児は長期戦ですから、必要な時に必要な形で、長きにわたって家族に貢献できる方法を常に考え、柔軟に行動するのが大事と言えるでしょう。

「育児休業を取得した」という事実は、確かに家族に喜ばれると同時に、周囲への良いアピールになるかもしれません。
しかし、公表される取得率には貢献できなくても、自らの行動が家族に貢献できていれば、社会から認められずとも立派なイクメンです。


かまち
「育児 is attitude, not stlye.」であるべきかと。

じゃあな、またな。

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